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企業文化が、業績に与える影響

企業文化は、創業者が打ち立てた企業理念が継承されて、文化として、会社全体に浸透しているものが多いですが、経営者や、時代の変遷によっても、変化していくものでもあります。

企業文化は企業業績に大きな影響を与えます。企業文化が、企業業績にどのような影響を与えるかについて述べます。

企業文化が、従業員の行動に与える影響

企業文化は、社風とも呼ばれるもので、従業員は、企業文化から、導かれる行動指針により、会社の中で、仕事を行います。

企業文化は、従業員の職業倫理や、価値観の拠り所ともなります。従って、企業理念等をアナウンスし、それによって、従業員の行動を促すことは、経営者の責任であり、経営者が自ら行わなくてはいけません。

企業文化は、また、グループ会社を含めた会社組織全体に浸透させなければなりません。そうしないと、会社全体としての方向性が定まらず、従業員の能力を結集させることができません。

採用の際にも、企業文化について、理解し、これに賛同できる人員を雇用しなければなりません。

組織の規模の拡大と、企業文化

会社が、小さいうちは、企業文化を社内に浸透させることは、それほど、困難ではありません。しかし、会社の規模が拡大し、M&A等を繰り返して、成長していくにつれ、企業文化を浸透させることが困難になります。

特にM&Aの場合で、吸収する側と、される側とで、大きく企業文化が異なっているようなケースでは、新しい企業文化を受け入れてもらうための、時間も労力もかかります。

しかし、企業文化を統一することができなければ、求心力を持って経営することは不可能になり、規模は大きくなっても、経営は弱体化し、業績も落ちてしまいます。

企業文化の重要性を認識すること

企業文化は、以上のように、従業員の行動や、企業業績に大きな影響与えるため、その重要性を認識することが第一歩となります。

また、経営者は、企業規模の拡大や、時代の変遷に従い、企業文化を柔軟に変えていくことも、必要です。

自社独自の企業文化が、組織全体に浸透すれば、企業はその価値をさらに高め、従業員の能力を十分に発揮させることができ、業績も向上することになります。

ダイバーシティと企業文化

昨今、ダイバーシティ経営ということで、人材の多様性が求めらていますが、いくら、多様な人材が集まっても、それぞれが、ばらばらの方向を向いて、行動していたら、それぞれの能力を発揮させることはできません。そのためには、強力で魅力的な企業文化が必要です。

終身雇用形態が、日本においても、崩れつつあります。しかし、魅力ある企業文化がなければ、人を集めることはできません。また、企業文化が魅力的であれば、できるだけ長く、その会社で働きたいと思うでしょう。

以上のように、企業文化は、会社によって、大きな拠り所であり、企業活動における土台となるものです。

 


財務の果たす3つの役割

財務や、会計には、様々な役割がありますが、その中で、大きく分けると3つの機能があります。それらについて、今回は記載します。

1.財務会計

一般的に会計というと、この財務会計を思い浮かべる方が多いと思います。財務会計は、実際の経営数値に基づくものであり、会社の決算書は、財務会計に従って、作成されています。

決算書は、税務申告の基礎となり、株主への決算数値の報告、配当の支払いの基礎となるものです。

財務会計は、同一の会計のルールにより作成されます。中小企業は、大企業ほど厳格ではありませんが、上場会社であれば、公認会計士の監査が義務付けられており、会社が会計のルールに従って決算書を作成しているかを、外部の専門家がチェックします。

会計のルールは、会計基準と呼ぼれるものであり、海外に進出している上場会社の中には、日本の基準だけでなく、国際会計基準に従って、決算書を作成している会社もあります。

このように、財務会計の特徴としては、会社にとって必ず必要となるもので、実際の数値を使用しており、会計のルールに従って作成される、ということが挙げられます。

2.管理会計

管理会計は、財務会計を基礎としながらも、会社が自社の経営管理や、経営意思決定のために、用いるものであり、実際の数値だけでなく、予定数値や、標準数値が用いられます。

管理会計は、社外に公開する目的ではないので、自社で自由に構築することができます。予算の策定であったり、投資の意思決定、原価管理など、様々な局面で、管理会計は用いられます。

管理会計は、強制されるものではないため、会社の規模が大きくなるについて、整備の必要性が増してくるのが特徴です。大企業になると、自社独自に管理会計制度が整備されていますが、中小企業において、管理会計制度が十分に構築されている会社は、少ないと言えます。

3.財務戦略

財務戦略とは、経営戦略の一環であり、経営者が直接的に関与し、将来のリスクを勘案して、経営の重要な判断を行うための、財務上の方針です。

世界的な低成長下の経済環境の中、経営資源をより有効に、かつ、効率的に使用していくことが求められ、財務戦略は、ますます重要度が高くなっています。

財務戦略の立案には、財務会計や、管理会計の素養が、必要となりますが、経営者は、財務の専門家ではないので、他のマーケティングや、ICTといった経営戦略と同様に、それをどのように活かせば、どのような効果が経営に得られるかという観点を持って、立案にあたります。

例えば、M&Aといった企業にとって、重要な影響を与える経営戦略において、財務戦略が大きな鍵を握っています。将来のリスクを見誤って、多大な借り入れを行い、実行したM&Aが失敗に終われば、企業の継続性が危ぶまれることになります。

財務戦略を成功させるには

財務戦略を成功させるには、社内に専門能力を有する人材を配置するだけでなく、経営者自身が、財務的なセンスを身につけ、リスクマネジメントを適格に行う必要があります。

将来のことを予測することは、非常に困難であり、経営者の仕事に多種・多様にわたり、しかも、経営環境の変化は、どんどんスピードを増しています。

しかし、経営は博打よりも、はるかに成功率は高いはずですので、そのためには、準備を怠ることなく、問題解決にあたることが求められます。


生産性を向上させるには

企業の業績を高めるには、生産性の向上が不可欠です。民間企業だけでなく、生産性を高めるということは、どの組織においても有益です。

生産性を高めるというのは、どういうことか

生産性を高めるというのは、単に、経費を削減するということではなく、時間をいかに有効に使うかということです。

例えば、今まで、1時間で行っていた同様のことを、どうすれば、30分でできるか、今まで、10人で行っていた同様のことを、どうすれば、5人でできるかということを考えることです。

どうすれば、生産性を高めることができるか

生産性を高めるための第1歩は、日常業務の中の、無駄を見つけることにあります。毎日、毎年同じことを行っていると、それが当たり前で、改善の余地や、その必要もないと考えがちですが、そんな様々な業務の中に、生産性を高める要素は、多く詰まっています。

しかし、自分自身では、それに気づかないことが多いのも事実です。そのため、他の人の意見を取り入れたりして、今までとは、別の視点から、取り組む必要も出てきます。

従って、経営者は、常に生産性向上に気を配る必要がありますし、組織全体に生産性を向上させる体質を沁みこませなければなりません。

生産性向上の第1歩

生産性向上の第1歩は、自分や他の人の、時間の価値を尊重することから始まります。時は金なりという言葉通り、自分だけでなく、他の人の時間も大切する気持ちから、生産性向上は、始まります。

会計用語に「機会費用」という言葉があります。これは、仮にその時間を別のことに向けたら、どれくらいの利益を得られたであろうか、ということです。

例えば、人材配置において、適材適所が行えず、従業員の能力が十分に発揮できない場合なども、機会費用が発生していると考えられます。

このように、1人1人の時間をどのように有効に活用するかが、生産性向上に大きな影響を及ぼします。

日本企業は、まだまだ、生産性を高められる

日本のメーカーの優れた工場を見ると、いかに生産性を高めるための知恵が活かされているか、感心させられますが、それでもまだ日本企業には、生産性を高められる余地が多く残されています。

その一つに個人の働き方があり、政府も働き方改革ということで、重点施策を打ち立てていますが、本来は、国から指示されて行うものではなく、自主的に企業が行っていくべきもので、それによって、企業が大きな利益を得られるのであれば、早急に取り組むべきです。

また、政府こそ、生産性をもっと高めるべきであり、例えば、国会の答弁などでの、同じような議論を繰り返しは、まさに時間の無駄でしかありません。

このように、生産性の向上は、官民を問わず、仕事の質を向上させ、強いては、国庫の繁栄に、つながるものです。