価値と価格

企業価値という言葉は、よく使われますし、M&Aの際には、一定の手法により、企業価値が算出され、企業の売買が行われます。

しかし、企業価値というものを数値化することは、非常に困難です。なぜなら、価値というものは、完全に数値化することができないためです。

例えば、私がカメラを買うとします。カメラの価格が10万円だとすると、当然、カメラには、それ以上の価値を期待します。将来にわたって、価格以上の満足を与えてくれるだろうと感じるから、カメラを購入するのです。

このように、価値は、取引価格を上回っていなければいけません。もし、受け取る価値が、価格を下回っていたら、二度とその商品は買わないばかりか、その企業の商品すべてを、買わなくなるかも知れません。

食事に行って、とてもまずかったり、サービスが悪かったりしたため、もうその店は行かない、ということはよくあります。

企業価値を生み出すのは、商品・サービスであり、それを創り出す従業員や、従業員を雇用する経営者です。従って、企業価値を考える上では、財務内容だけでなく、それらが、どれだけの価値を生むかを考えなくてはいけません。

そして、価値が価格をどれだけ上回っているのかを評価しなければなりません。仮に価値が価格を下回っていれば、価格は、将来、価値の水準以下になるはずです。

このようなことから、企業価値を持続的にどうやって高めていくかというのは、企業の非常に重要な課題となります。

camera-photography-vintage-technology-medium