東芝の事件から、学ぶべきこと

世間を色々と騒がせた東芝の「不適切会計」事件ですが、これは、会計だけの問題ではなく、現状の日本の企業経営を象徴する事件であると、私は考えています。

従って、これは、東芝だけでなく、すべての日本企業(特に大企業)が教訓とすべき事件です。

何故、この事件が起きたかという原因として、ガバナンス、内部統制が機能していなかったと言われています。形式的には、整っていたものの、実質は形骸化していたと。

官、学で制定される制度を、民間が実行する際においては、この問題は、必ず起こります。制度として従わなければならないなら、形式だけは、それらしく整えて、極力、実務で手を抜くようにすればいい、ということになります。

官、学は、実務のことはよく知りませんので、それでも、外から見たら、よくやっているということになります。

6月から、運用開始となったコーボレート・ガバナンス・コードにしても、個人的には、会社側は、またしても、形式的に対応しようとしているところが、多分にあると思っています。

新たに東芝で、選任された、社外役員のリストを見ましたが、申し訳ないですが、これは、ダメだと思いました。

年齢が高すぎます。本当に再起したいのなら、もっと若い人も加えるべきです。

経営に、さまざまアイデア、発想を取り入れることが目的なら、若い人や、さまざまな職種、国籍の人たちの、アイデアや発想も有益ではないでしょうか?もちろん、年齢の高い、実績のある方々の意見は重要ですが、年をとると実務感覚が鈍るのも事実です。

伝統のある会社ほど、斬新なアイデアを取り入れていく必要があります。これがイノベーションです。

また、制度の策定時にも、もっと多様性を持った、さまざま業界、企業規模、年齢層の人たちの意見を取り入れるべきです。

制度の策定時には、多様性が保たれていないのに、実務だけ、多様性を取り入れろというのは、いかがなものでしょうか?