21世紀の負債

昨年、トマ・ピケティの「21世紀の資本」が大ブームとなりました。

ここでの内容は、ピケティの「21世紀の資本」とは、全く関係なく、資産や、財産と考えられてきたものが、負債となりうるということを述べます。

負債というと、思い浮かべるのは、借入金、買掛金といったものになるでしょう。負債は、このように、将来の支払義務であると定義できます。

では、資産や、財産であっても、負債となりうるというのは、どのようなものでしょうか?

第1に、不動産があります。不動産自体が負債ではないですが、不動産を維持するためには、固定費として、固定資産税や、修繕費などのコストがかかります。これらは、不動産を全く、使用していなくても、かかるものです。

空き家問題が、全国で深刻化していますが、空き家からは、全く収入が得られませんが、先ほどの固定費は、毎年かかります。従って、将来の支払義務が、発生する負債と考えることができます。

会社が所有している不動産も、収益を生まなければ、会計基準に従えば、減損処理により、帳簿価額を費用化しなければいけません。大企業は、業績が悪くなるとこの減損と、繰延税金資産の取り崩しにより、ダブルパンチを受けることになります。

第2に、人(従業員)があります。人は、会社の財産であるとよく言われますが、従業員が、全く機能しなければ、固定給という負債が、毎月発生することになります。

人手不足で、人を選ぶことができなったから、仕方なく採用した、というような声を聞くこともありますが、採用で失敗すれば、将来の負債を抱えることになります。

個人で言えば、悪妻は、典型的な負債と言えます。悪妻は100年の不作と言われますが、パートナー選びに失敗すれば、子供の代まで、災いを及ぼすことになります。

これらから、言えることは、資産や財産であっても、選択を誤れば、将来、負債となり、後で大きなつけが回ってくるということです。

ということは、不動産の購入、人の採用といった事項は、将来にわたり、会社の財政状態に影響を及ぼすものであり、選択時には、十分な思慮が必要ということです。また、選択後に有効に機能させるための、知恵も必要となります。

もちろん、結婚も言うまでもないですね。