もはや小売業とは言えない、百貨店業界

百貨店業界の、苦戦が続いている。あの三越伊勢丹でも、リストラが断行され、地方百貨店においては、閉店を強いられるところもある。

かつて、百貨店は、国民にとって、そこに行けば何か楽しみがある場所であり、百貨店の紙袋を盛って歩くことは、誇らしげでもあった。

しかし、時代は変わり、百貨店の果たす役割も大きく変化した。デフレに伴うアパレル不況で、かつてのような、ブランド物のファッションは売れなくなり、ユニクロに代表されるファストファッションが全盛となった。

これからの百貨店

都市の一等地を確保していることを活かし、不動産事業として、新たな展開を図るケースも増えてきている。「GINZA SIX」はその典型だが、名古屋の丸栄のように、閉店し完全に不動産事業へと移行する方法もある。

こうなると百貨店は、小売業なのか、不動産業なのか、サービス業なのか、ビジネスモデルの変化によって、その収益構造が変化している。

ただ、地方百貨店で、地域住民にとっては、なくなって欲しくない存在であるところもある。そのような地方百貨店をどうやって、再生し、活気を取り戻していくかは、百貨店だけでなく、地域社会全体で考えていくべきである。

かつてのビジネスモデルは通用しなくても、その地域の特色を活かした活用方法は必ずある。子供の頃、憧れでもあった百貨店で、消え去っていくのは、とても寂しいことである。