アメリカ大統領選挙から、学ぶべきこと

トランプ氏の勝利は、大方の予想を覆すものであり、アメリカでは、まだ、結果を受け入れることができない人々により、デモが続いています。

日本にも同様なことが、起こりうる

トランプ氏の大きな勝因は、白人中間層の現状に対する不満を吸い上げたこととされています。彼らは、もう中間層ではなく、貧困層にシフトしてしまった労働階級の人達です。その一方、富裕層との間には、大きな格差が生じています。

日本においても、格差は、確実に進行しています。かつては、一億総中流とまで言われましたが、現実的には、仕事が思うように得られず、生活に苦しんでいる人達は多くいます。

エリートは、現場を知らない

アメリカにおいても、格差社会におけるエリートに対する不信感が、クリントン氏に対する反発として、選挙結果に反映された。マスコミも、こうした現実を直視することができませんでした。

日本も同様で、大企業や、一部の成功者のみにスポットが当たり、中小・零細企業や、職を失い、見つけることができないでいる人達のことは、二の次となっています。

これは、エリート層、お偉い様達が、現場から遠ざかり、社会のマイナス面と真摯に向き合っていないことによるものです。

不満や、怒りのパワーは巨大

このようにして、不満や怒りが蓄積されていくことは、物凄いパワーを生み出していきます。それは、エリート社会を崩壊させるまでの力を持つことがあります。

世界の革命というものは、このような力によってなされたものであり、米国の今回の大統領選も、正に、トランプ革命と言えるものです。

しかし、革命は、往々にして過激な思想をも生み出すことがあり、その不満が、人種、宗教感の争いに発展する可能性があります。これについては、過去の歴史、例えば、ドイツにおけるファシズムの台頭などを見れば明らかです。

日本にとって必要なこと

日本は、同一民族国家であり、人種間対立といった問題が生じることはないですが、格差社会は、富裕層と貧困層の対立を生み、それにより、日本においても、エリート層に対して、大きな不満が蓄積しつつあります。

このような時代においては、アウトサーダーであるヒーローの出現が、期待されるようになるのです。

革命は悪いことでないですが、政治家や、エリート層はこのような現実を直視し、自分達の周りだけでなく、全体が最適化されるような政策、経営方針を打ち出していき、社会をより良くしていくことが必要です。

また、我々、一人一人も、誰かの言うことをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の目で見て、心で感じ、頭で考えることを大切にして、それによって行動していかなければなりません。

一人一人が、正しい行動を心がけることで、より良い国家に変わっていくと信じています。